2008年度 どこか板公認推しメン



第2位 第1位 第3位
亀井絵里 石川梨華 新垣里沙

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川’ー’川<やよー

1 :川’ー’川<やよー:2003/10/03 12:40
川’ー’川<やよー

2 :SN:2003/10/03 12:42
【ラブリーマリー】

「キドキッド・テア・ガメトメ!」
ぼわん。
もくもくと立った煙をごほごほむせながら追い払うと
やがて見えてくるシルエットは、どうみても枕。
つまり、失敗。
「ラ〜ブリ〜」
いつもかん高く笑うマリー先生の声がまるで地面を
這ってるように低くて、私は振り向けなかった。

3 :SN:2003/10/03 12:42
「ごめんなさい」
「こっち向いて言えよ」
しかたなく振り返る。マリー先生は怒ってるという
より呆れていて、私はもっと落ち込んでしまう。
「ごめんなさい」
「これじゃ合格には出来ないよなぁ」
ため息まじりのその言葉に、私は着てるローブの上から
ぎゅっと自分の胸をつかんだ。
残念なような、ほっとしたような気持ちになる。
「でもさ」

4 :SN:2003/10/03 12:43
「ソロ研。ソロでの研修には行ってもらうから」
えっ?
上げた視線の先にはにっこり笑顔のマリー先生。
「だってうちは―――」
不合格。そう開きかけた口唇はひとさし指で閉じられた。
「実力はあるんだ。必要なのは何より経験、そして自信」
言いながらマリー先生はかぶっていた三角帽子を
脱ぐと、背伸びをしながらそっと私の頭の上に乗せた。
「誰かの心からの願いを叶えること。ただし―――」

5 :SN:2003/10/03 12:43
「願いを直接訊いちゃダメ。ラブリーが読み取って」
マリー先生、小さくウィンク。私はぼーっとする頭の
ままこくこくとうなづくのがせいいっぱい。
「その人が本当に叶えて欲しい願いを叶えてくんだぞ」
こくんこくん。
「いってらっしゃい、人間界。ムー・ビーシ・クセ!」
先生の呪文が聞こえて、私の包む景色がぐるぐると
回り出した。さっそくですか?
そう訊いた私の声は先生まで届いたんでしょうか?

6 :SN:2003/10/03 12:44
『魔法使いの妹子(でし)』

出演:さくらオンリー

7 :SN:2003/10/07 12:49
【ナチラブリー】

瞳を開けると夜だった。私はふとんの中で身体をちょっと
だけ小さくし、もう一度眠りの世界に入ろうとして。
飛び起きた!
確か陽射しが気持ち良くって公園のベンチでうとうと
してただけのばずなのに。アイドルなのになぜ熟睡?
っていうかなぜ公園にふとん?
「おはよ」
声の先には、割と可愛い女の子。まるで絵本の中から
出てきた魔法使いのようにとがった帽子に黒い服。
大きな瞳とはちきれんばかりの笑顔の―――。
「あなた誰?」

8 :SN:2003/10/07 12:49
「えっと」
その子はポケットからメモ用紙を取り出すとおもむろに
棒読みし始めた。
「たかはしあいと申します」
「わかりやすくうそつかないでよ」
「あいは哀って書くんやよ」
「愛じゃないんだ!ますます偽名っぽいねぇ」
「それだけ?」
「はい?」
「おかしいなぁ」
首をひねるその子。私はただただ目をぱちくり。
「おかしいのはあなたの名前でしょ?」
「そう言うあなたの名前は?」
今度は私が口ごもってしまう。
「えっと」

9 :SN:2003/10/07 12:50
私、からかわれているんでしょうか?
そんな思いは顔に出さずに、さっと服のしわや髪を手で
抑えつけながら自慢の笑顔で答える。
「安倍なつみと申します。モーニング娘。のなっちです」
「なっち?」
「はい」
「うちのふとん喜んでくれた?」
こいつか。国民的アイドルグループのメンバーのひとりを
公園で熟睡させた犯人は。
「喜ぶわけないっしょ。せっかくのオフが台無しだわ」

10 :SN:2003/10/07 12:50
するとその子から笑顔が消えた。呆然とした顔から
驚いた顔に変わり最後に泣きそうな顔になった。
「そんなぁ」
そんなぁはこっちだよ、と言いかけてそれどころじゃ
ないかも、と思った。関わらないほうがいい。私の
直感がそう言っている。これはどっきり企画なんか
じゃないって。テレビカメラなんて回ってないって。
「じゃあね。間違ってもついて来ないでね!」
くるっと向きを変え足早に公園を去った。

11 :SN:2003/10/10 12:58
かなり離れたところで振り返ると、あの子がまだふとんの
場所に居るのが見えた。ほっとしたのもつかの間、私は
うそでしょと立ち止まる。
手品のようにぽん、とその手に長い棒が現れた。そして
おもむろにまたがると次の瞬間。
「家まで送っちゃろか?」
私の前に居た。信じられない。でもこの姿は絵本の
中ではおなじみの姿。

12 :SN:2003/10/10 12:59
月夜に溶けそうな黒い服と帽子を着てほうきにまたがり
空中にふわふわ。直感訂正。それどころか胸が高鳴る。
これってもしかしてもしかしてもしかして本物の?
「魔法使い、とか?」
おずおずと訊くとなぜか申し訳なさそうな顔でこくんと
その子―――哀ちゃんはうなづいた。
ほとんど同時だった。
「へっ?」
哀ちゃんが消えた。というか哀ちゃんだけが消えた。

13 :SN:2003/10/10 12:59
服とほうきがばさっと落ちて、その中で何かがもぞもぞ
動いていた。顔を出したのは小さな猫。ぼーっとしてる
私の胸にぴょんと飛んできて私はうわっ、と受け止める。
何これ。どうなってんの?
答えは空から降ってきた。キャッチしたそれは、さっき
哀ちゃんの見てたメモ。つたない日本語で書かれたメモ。
―――人間界での名前は高橋哀。珍しい字に話題集中!
「それはどうかなぁ」
年齢、血液型とずらずらと並ぶプロフィールに続いて
書かれた最後の行。私は釘付けになった。
―――魔法使いってばれたら猫になっちゃうので注意。

14 :SN:2003/10/10 12:59
「最後までちゃんと読んでおきなよぉ」
夜の公園で私はひとりへなへなと座り込み、胸の中の猫に
向かってそうつぶやいた。やっぱり世間は甘くない。
「にゃあ」
南の島でビーチにねそべり優雅にフルーツジュースとか
ラスベガスでセクシーな衣装でルーレットに興じるとか
そんな幻想が、がらがらと音を立てて崩れていく。
「にゃあにゃあ」
すりよってくる哀ちゃんの頭をなでながらつぶやいた。
「鳴きたいのはこっちだよ」

15 :SN:2003/10/17 12:22
【ヨッスィーマリー】

「なんかあっさり猫になってんすけど」
薄暗い研究室の中、響く私の声に返事はなかった。ちらと
見たマリーさんは水晶玉を覗いたままで顔も上げない。
「まだ無理だったんすかね、ラブリーには」
やっぱりマリーさんは黙ったきりで、私はふぅと息を
吐く。水晶玉に映るラブリーは女の人の胸ですぅすぅと
寝息なんか立て始めていた。こいつは。
「連れ戻しますか」
そしてまたも返事なし。もしかしてラブリーと一緒で
眠ってるんじゃないだろうな。そう思ったとき。
「ヨッスィー、私」
低い声が響いた。

16 :SN:2003/10/17 12:23
「ラブリーを信じてるから」
いつもけらけら笑ってるマリーさんらしくないその声に
私はびっくりしてしまう。真面目そのものといった顔も
水晶玉の光りが反射して何だかおっかなく見えた。
「ラブリーなら何とかできるって思ってる」
「あの猫の状態で?」
「そう。あの猫の状態で」
やっと上げられたマリーさんの顔。いつもの微笑みを
浮かべていつもの声で話しているけれど、それだけに
私はひっかかりを感じてしまう。
ねぇマリーさん、それってつまり、助けないってこと?

17 :SN:2003/10/17 12:24
「ずいぶんラブリーを買ってるんですね」
不合格にもかかわらずソロ研に行かされたラブリー。
ソロ研で失敗しても戻してもらえないラブリー。
「まぁね。可愛い妹子だから」
私は頭をよぎる噂を追い出そうとする。ローブの袖で
おでこの汗をふく。なんだか暑い。
「ヨッスィー、このことは私達だけの秘密だよ」
水晶玉にはさっきの女の子が左手にラブリー、右手に
ローブとほうきを抱え、頭にマリーさんの帽子を
かぶってとぼとぼと歩く姿が映っていたけれど。
「ラカル・イガ・タナア!」
マリーさんが呪文を唱えるとすうっと消えてしまった。

18 :SN:2003/10/22 12:12
【ナチカゴエリ】

「なつみさん、犬を飼い始めたでしょ?」
「なんで知ってる?って言うか猫なんだけど」
出番待ちの控え室。目を輝かせて近寄りそう訊いてくる
あいぼんに、私はちょっと後ずさりしながら答えた。
「スタイリストさんが服に動物の毛がついてたって」
「なるほど」
「うわぁ。いつから飼ってるんですか?」
そんな会話にやや遅れて、ぴょこんとあいぼんの隣りに
同じように目を輝かせて絵里りんも現れる。
まぁね、モーニング娘。はいつでも三人一緒ですから。

19 :SN:2003/10/22 12:12
「一週間前。飼うと言うより預かってるんだけどね」
「言うより?」
「そう、言うより」
「猫ちゃん見たいです」
「私も!」
「良いよ。いつでも見に来てよ」
「じゃあ今晩行きましょう」
あいぼんの言葉に私が答えるより早く絵里りんが
やったぁと声をあげた。さっそくですか?
そう訊いた私の声はふたりの歓声でかき消されてたと
思います。
「ちなみに何て名前なんですか?」
「あいちゃん。哀ちゃんって書くんだよ」
「さむっ」

20 :SN:2003/10/22 12:12
「おっじゃましまぁっす」
「静かにしてね。ここ本当はペット禁止なんだから」
ちょっとどきどきのマンション初招待。私は脱ぎ散らか
されたふたりの靴を並べながら小声で注意する。
「おおぅ。それでも預かろうと思ったんですか?」
うなづきながら私は照れ笑い。
ついで来ないでね!そう言った私が連れてきちゃった。
でもしかたないよ。胸の中で眠っちゃった哀ちゃんをさ
置いてなんてこれないもん。
残念ながら言葉は通じなくなっちゃったみたいだけど。

21 :SN:2003/10/22 12:13
「哀ちゃぁん♪」
などと陽気にリビングに飛び込んでくあいぼんをよそに
絵里りんは私が靴を脱ぎ終わるのを待っていてくれた。
「ありがとね」
「大変じゃないですか?ひとり暮らしでペットは」
そっか。絵里りんも実家でペット飼ってるんだっけ。
「大変だよねぇ」
私はおおげさに肩なんかすくめる。
「仕事が終わった夜遅くからお風呂に入れなきゃだし」
「朝食用のペットフードを買い忘れて夜中に走るし?」
「そうそう」
絵里りんと顔を見合わせる。ふたりしてにっこり笑った。

22 :SN:2003/10/22 12:13
リビングでは中央につっ立ったあいぼんがきょろきょろ
してた。ひとさし指を口にくわえてあからさまに何かを
探してますってポーズ。
「哀ちゃんが居ないんですけど?」
「居るよぉ」
私はソファの陰を覗く。いない。カーテンの裏。いない。
テーブルの下にもテレビの裏にもいない。あれ?
「哀ちゃん?」
「にゃあ」

23 :SN:2003/10/22 12:13
かすかに聞こえた返事はどうやらベッドルームからで
私達はそっと覗き込む。いた。床にねそべり前足で
器用にひとり私の雑誌をめくってる。
明かりまでちゃんと灯けて。
「読んでるのかなぁ?」
「違うと思うよ。逆に見てる」
言われてよく見るとたしかに雑誌は逆さまで、後ろから
前へと眺めているよう。それにしたって―――。
「読書だなんて」
「まるで人間みたいっすねぇ」
「なに言ってんのさ」
ふたりの言葉に私は苦笑いを浮かべてしまう。本当の
ことは私達だけの秘密にしとくよ、ねぇ哀ちゃん。

24 :SN:2003/10/24 12:39
【マルリサ】

「ねぇマルシェ」
「うん?」
振り返ると私を呼んだリサリサは空を見上げていて
私も空を見上げてしまう。そこにはきれいな満月。
「きれいだよね」
「うん」
「ラブリーがソロ研に出発した日も満月だったよね」
「うん」
私は猫のような瞳の持ち主の顔を思い浮かべる。
今頃どこかでがんばっているんだろうな、って。
「元気にしてるかな?」
リサリサとラブリーと私はこのチェリーブラッサム
魔法学院の同級生で、中でも成績トップのラブリーは
みんなのリーダー的な存在だった。それでも―――。

25 :SN:2003/10/24 12:40
「ソロ研にはまだ早かったのかなぁ」
私が言う。リサリサが芝生を散切り、風に乗せる。私は
それを目で追う。そしてリサリサが小声で切り出す。
「ソロ研って普通はツーエイトで終わりらしいよ」
「そうなの?」
「それまでに合格できなかったら再試験なんだって」
つまり満月に出かけたなら新月までってこと。
でも新月を過ぎて満月になってもまだラブリーは帰って
来ていない。
「ラブリーはどうしちゃったんだろ?」
「戻って来れないのかも」

26 :SN:2003/10/24 12:40
「えっ?」
突然の発言に驚いていると、リサリサは真顔でうなづき
ながら声をいっそう小さくした。
「学院から追い出されたのかも知れない」
誰がそんなことをするの?って訊く直前。頭をよぎった。
噂。
けたけた笑う金髪で背の小さい先生。あの先生が実は
ラブリーを嫌ってるらしいって聞いたことある。
「試験に落ちたのにソロ研に行かされたって話だし」
私はきゅっと口唇をかんだ。

27 :SN:2003/10/24 12:41
ラブリーは信頼してたのに。認められたいって勉強も
運動も一生懸命がんばってたのに。もし本当なら
そんなのひどすぎるよ。
満月を見上げると、ラブリーの笑顔が重なって見えた。
私達の立場では直接あのラブリーの先生に意見なんか
言えない。だからまず私達の先生に。
「だからさ。あの、マルシェ一緒に―――」
「相談しに行こうか?」
リサリサが驚いたような顔をする。でもすぐに笑顔に
なって言った。
「私もそうしたいと思ってた」

28 :SN:2003/10/27 12:49
【エリナッチ】

もともと遅刻の多いなつみさんですけど、最近それに
拍車がかかってます。そしてその原因も想像ついてます。
きっと可愛い来訪者のせい。
「夜遅くまで哀ちゃんと遊んでるんでしょう?」
私がそう訊くと、なつみさんはすっごく良い笑顔を
返してくれた。
「やっぱりわかっちゃう?」
「わかります。ここ最近ずっとうっすらとクマが」
「げっ」
あわてて目の下を隠すなつみさんに、私もくすくすと
笑ってしまった。でも―――。

29 :SN:2003/10/27 12:50
メイクさんにクマをごまかすべく濃い目の化粧を
頼んでるなつみさん。これからテレビで初披露する
新曲をハミングしてるなつみさん。哀ちゃんを
預かってから睡眠時間は減ってると思うのに、出会う
前よりずっといきいきして見える。
それだけに私は、私が言わなきゃいけないのかなって
気になってしまった。
「なつみさん」
「なぁに?」
それはペットの飼い主の先輩としての忠告。
「あんまり入れ込むと、別れるときつらいですよ」

30 :SN:2003/10/27 12:50
怒られちゃうかな?でも私は言った。誰かがこれを
言っておいたほうが覚悟が出来る―――と思って。
少しの沈黙の後で。
「絵里りんは優しいね」
となつみさんが微笑んだ。右手が私の頭に置かれて
そのままぽんぽんと撫でられる。
「わかった。憶えとく。ありがとね」
あっ。
「ごめんなさい」
私はぺこっと頭を下げた。さっきまでの考えはもう
崩れて、さっそく後悔なんかしちゃってる。
子供な自分にうんざりしちゃう。恥ずかしくて顔が
熱くてきっと私、真っ赤だよ。

31 :SN:2003/10/27 12:51
「謝ることないよ。絵里りんも経験したんだよね?」
「はい。小四のときに―――」
「ふたりっとも遅過ぎるっちゅーねん!」
私が身振り手振りをつけて想い出話を始めようと
するのとほとんど同時だった。
すでにメイクも着替えもすませて現場で待っていた
あいぼんが、ほっぺをふくらまて控え室に戻って来た。
「ごめん」
なつみさんと顔を見合わせる。ふたりしてぺろっと
舌を出した。

32 :SN:2003/11/14 12:05
【ヨシリサマル】

研究室に可愛い来訪者。それがリサリサとマルシェって
顔ぶれってだけで私には用件がすぐわかってしまった。
「ラブリーのこと?」
そう訊くとふたりそろってこくん、とうなづく。
「もうツーエイトの期間はとっくに過ぎてるのに」
そう勢いづくのはリサリサ。怖いもの知らずに見えて
ひとりのときは大人しい実は傷つきやすい子。
「あの、ちょっと帰りが遅すぎるかと思いまして」
か細い声で言うのはマルシェ。ちょっと意外。この子が
こんなに積極的に行動するの見たことなかったから。

33 :SN:2003/11/14 12:05
ふたりを中に招き入れ、そっと指で口唇に触れながら。
「ヨチ・ラケエ・チーヨ!」
そう唱えて取り出すは三人分のティーセット。
「まず座って飲んで落ち着く。話はそれから」
私は優しい口調と笑顔まで用意してみたけれど
マルシェはもうローブの裾で汗をふき始めていた。
言ってよ。そっちこそ。だって先に。って言うか。
もじもじとお互いの脇腹をつつきあうふたりを前に
私は天秤を思い浮かべていた。片側にこの妹子達を、
そしてもう片側にマリーさんを置いて。

34 :SN:2003/11/14 12:05
「そんなこと進言に来て怒られるとか考えなかった?」
あれからマリーさんに会うたび猫になったラブリーを
思い出し訊いたけど、いつも返事は同じだった。
カーテンの隙間から射し込む月光は、満月の訪れを
ちょうど月が一周したことを訴えているってのに。
「ヨッスィー先生なら聞いてくれると思いまして」
「確かに普通ならもう帰って来ててもおかしくないね」
「やっぱり!もしかしてあの―――」
「でもさぁ」
そっとリサリサの言葉をさえぎる。マリーさんが、と
言いかけてあわてて飲み込んだ。
「マリー先生はラブリーを信じてるって言ってたぜ」

35 :SN:2003/11/14 12:06
ふたりはそれでも心配そうな顔をしていた。無理もない。
あの噂。マリーさんがラブリーを嫌ってるなんて根拠の
ない噂だって思ってた。秘密だよって言葉を聴くまでは。
私はふぅと息を吐く。
テーブルへ戻そうとしたティーカップの中では眉間に
皺を寄せた私の顔がゆらゆら揺れていた。
「でも知りたいんです」
ちょっとした沈黙の後でマルシェがささやいた言葉は
ちくりと私の胸に刺さった。遥か昔にどこかで―――?
「気になったらもう止められなくて」

36 :SN:2003/11/14 12:06
それが合図。
ティーカップの中の水面のように揺れる天秤を手で
がしゃりとなぎ払った。そうだよ、私もそうだった。
知りたいことはとことん追い求めてたじゃん。心の中で
天秤にかけてみるなんて私らしくない。マリーさんは
ラブリーを信じてると言った。私は立ち上がる。見下ろす
のは私を信じて来てくれた妹子達。そして私も信じてる。
「直接訊こっか?マリー先生にさ」
「さっそくですか?」
ふたりが目を丸くする。私は笑った。さっそくですよ。

37 :SN:2003/11/19 12:44
【ナッチアイ】

真夜中にタクシーに乗り込む。どっと押し寄せた今日の
仕事と明日に来る仕事からふと逃げたくなって。
「湾岸の景色、見える場所へ」
「はっ?」
「なんちて。あの、新宿方面にお願いします」
かちゃかちゃと上がる深夜割増料金。目を閉じて思うは
哀ちゃんのこと。ご飯ちゃんと食べたかな。退屈してる
だろうな。また読書してるのかな。顔が笑っちゃう私。
「お客さんもしかしてモーニング娘。じゃないですか?」
「はい!応援よろしくお願いします」
「夜中までお疲れ様。ちょっと料金おまけしちゃうかな」
「やったぁ」

38 :SN:2003/11/19 12:44
マンションを下から見上げおや?と首をひねる。
明かりが灯いてない。眠っちゃったのかな、そう思い
ながらエレベーターに乗り込んだ私は、一緒に遊べ
ないのかとちょっとがっかりしたりする。
「ただいまぁ」
眠ってる哀ちゃんを起こさないようそっとドアを開け
小声でつぶやく私は、その場から動けなくなった。
「にゃあ」
ベランダの窓ガラス越しに星空を見上げる哀ちゃんの
姿が月明かりにくっきりと、切り取られていた。

39 :SN:2003/11/19 12:45
「にゃあ」
持ち上げた前足がガラスを叩くたび、かすれた鳴き声が
耳に届くたび、シグナルが私の胸を震わせる。きゅん。
「哀ちゃん」
ふたりっきりの世界の中で、私は明かりも灯けずに
呼びかけた。ゆっくり振り返った哀ちゃんと目が合う。
忘れていたね、こんな感覚。
「お散歩に行こっか?」
「にゃあ」
メイクも服もそのままに哀ちゃんを抱きかかえ、私は
扉を抜けて真夜中へと戻っていった。

40 :SN:2003/11/19 12:46
タクシーで「湾岸の景色、見える場所へ」の元ネタ↓
http://bad.adam.ne.jp/bbs/mibbs.cgi?mo=p&fo=bad&tn=0033&rs=1&re=1&rf=no&al=on
元々は市井の歌です、念の為

つかもう40…あっさり終わるはずだったのに
やっぱ8人でも多いよ、もう…

41 :SN:2003/11/27 12:57
【マリーヨッスィーリサリサマルシェ】

それはちょうど薬品調合中のこと。ドアが壊れそうな
ほど乱暴なノックでヨッスィーだとわかりドアを
開けると、その他におまけがふたりくっついていた。
「どうしたの?こんな大人数で」
「あっ、あのっ」
「そのっ」
どもるふたりをやや見上げると片方は見覚えのある顔。
「リサリサとマルシェ。私の妹子っす」
ヨッスィーの言葉でこないだの模試で成績トップに
なってた子だと思い出す。でも何でここに?
「ふたりともラブリーと同期なんすよ」
ぶんぶんと首を上下させるふたりと、その後ろで珍しく
真顔のヨッスィーを、とりあえず部屋に招き入れた。

42 :SN:2003/11/27 12:57
テーブルの上ではフラスコやビーカーがまだぐつぐつと
湯気をあげていて、私は杖を向けすっと息を吸う。
「キムミ・ナミ・ルタンメ・チンセ!」
「おぉ」
それらを溶かすように消し去ると、感嘆の声がふたつ
洩れた。私はふたりの師匠をじろり。
「ちょっとヨッスィー、ちゃんと教えてんの?」
「ふたりとも消去の魔法は次の段階なんですよ」
「そっか。何か飲む?」
「いえ、さっき飲んだばっかなんで」
「あっそう」
私は唱えようとした呪文を飲み込んだ。じゃあふたりは
ラブリーの二段階も下なんだ、という言葉も一緒に。

43 :SN:2003/11/27 12:57
「ままま座って」
自慢のふかふかソファを三人に勧めると、ヨッスィーは
「ラブリーはどうしてますか?」と訊きながら腰を
降ろした。会うたび訊くなぁと思いながら答える。
「まだソロ研中だよ」
「でも、あの、普通はツーエイトくらいで終わりって」
恐る恐る言ったのはリサリサのほう。私が視線を
向けるとうつむいて身体を小さくしてしまった。
「この子達、ラブリーが気になるらしいっす」
「この子達だけじゃないだろ?」
私が言うとヨッスィーは「あたり」と頬をゆるめた。

44 :SN:2003/11/27 12:58
「今のあの子に何より必要なのは経験だからさ」
私はゆるく指を組む。入学してからずっと模試や授業で
トップを守り続けてきたラブリー。私の期待に結果で
答えて、教えると水が土に染み込むように憶えた。
「それはここでいつまで学んでも身につかないし」
なのにラブリーは昇格試験では必ず失敗をしてしまう。
失敗を怖れるあまり失敗を呼んでしまう。
「だからさ」
もう憶えることのない授業に出るよりも、ラブリーに
とってためになると思える道を私は選んだつもり。

45 :SN:2003/11/27 12:59
ミスりました…
44は忘れてくらさい

46 :SN:2003/11/27 12:59
「まぁもうちょっと待っててよ」
私には大きめのローブの裾を引っ張りながら言う。
「次のソロ研の試験までには帰って来させるからさ」
「ってことはぁ」
「次の次の満月までには帰るってことですか?」
こくんと頷く。視線に当然だろ?って想いを込めて。
「だってあいつまだ試験に受かってないんだから」
「なぜ今すぐ帰って来させないんですか?」
そう言うマルシェは姿勢も前のめり少し興奮してるよう。
少し考えたらわかるのに、と私は小さく息をついた。

47 :SN:2003/11/27 13:00
「今のあの子に何より必要なのは経験だからさ」
私はゆるく指を組む。入学してからずっと模試や授業で
トップを守り続けてきたラブリー。私の期待に結果で
答えて、教えると水が土に染み込むように憶えた。
「それはここでいつまで学んでも身につかないし」
なのにラブリーは昇格試験では必ず失敗をしてしまう。
失敗を怖れるあまり失敗を呼んでしまう。
「だからさ」
もう憶えることのない授業に出るよりも、ラブリーに
とってためになると思える道を私は選んだつもり。

48 :SN:2003/11/27 13:00
失敗は怖れることじゃないって、そこで学べることも
あるって、ラブリーにわかって欲しいから。
「ぎりぎりまで人間界で学ばせて来るつもり」
「はぁ」
私の前で三人はそろってぽかんと口を開けていた。
これでこの子達は気が済んだかな?納得できたかな?
なんて思っていると。
部屋の隅、水晶玉が青く光のシグナルを放ち始めて
私は駆け寄った。ラブリーに何か起きたってこと?

49 :SN:04/01/27 12:10
【ナッチアイラブ】

秋の夜風は吐く息を白く変え、私は胸の中の哀ちゃんを
ぎゅっと抱きしめる。ゆっくりゆっくり歩いて向かうのは
私達が出会ったあの公園。
あの日以来ここに来るのは初めてだった。あの時なっちが
眠ってたふとんももう見当たらない。
「ねぇ哀ちゃん、ここ憶えてる?」
返事はない。
眠っちゃったかな?と顔を覗こうとするとごろごろ喉が
鳴って、起きてるよって意味かなぁ、なんて笑ったり。

50 :SN:04/01/27 12:11
誰も居なくて私達ふたり。たどり着いたベンチに腰かけ
空を見上げるときれいな満月。
ふと哀ちゃんはあの場所から来たのかななんて考える。
「色々あったよね」
長いよで短い一ヶ月。同じよでちょっとずつ違う毎日。
「なっち、哀ちゃんのために色々してあげてると思ってた」
無力な子猫のキミを守ってあげてるつもりだった。
「でも実際にはさ、なっちが哀ちゃんに助けられてたね」

51 :SN:04/01/27 12:11
出会ったここに来なかった理由は、別れがあると嫌だから。
国民的アイドルの名の元に代わり映えのない仕事。これで
良いの?とはずっと歳下のふたりには訊けないし言えない。
「何度も潰されそうになったのを、哀ちゃんが救ってくれた」
もう一度、ぎゅっ。胸の中で哀ちゃんがごろごろ鳴いた。
私は顔を上げて呟く――哀ちゃんから目をそらし月を見て。
「これ以上一緒に居たら、絵里りんの言う通りになっちゃう」
「にゃぁ」
「なっち強くなったもん。ひとりでも平気だよ。でも」

52 :SN:04/01/27 12:11
頭をそっとなでると哀ちゃんはまた喉を鳴らした。
「でもまた絶対、遊びに来てね」
瞬間。
「ほぇ?」
「へっ?」
ずしり、と足にかかる体重。目の前に猫のような黒目。
人間の哀ちゃんが居た。鼻と鼻がぶつかりそうな距離に
そして忘れてたけど一糸まとわぬオールヌード。

53 :SN:04/01/27 12:12
はっと我に返り、カーディガンを脱ぐ。誰かに見られる前に
取りあえずこれだけでも着せなきゃ!
「キドキッド・テア・ガメトメ!」
あ、そっか。さすが魔法使い。もう哀ちゃんは黒いローブを
着て右手にほうきと左手に枕を持って――まくら?
「帽子を出すのが苦手なんよ」
照れながら頬をかく哀ちゃん。久々に声を聞いて、訛ってた
ことを思い出したのと同時だった。哀ちゃんが消えた。

54 :SN:04/01/27 12:13
2ヶ月振り
忘れてた訳じゃないですええ決して

55 :SN:04/01/29 12:07
【マルシェリサマリヨシそしてラブ】

水晶玉へと走るマリー先生を追って私達も。覗くと
ラブリーが居た。裸で。と思ってる内に服を着たけど。
「スマ・キガム・ダキ!」
マリー先生が杖が揺れぽわんと煙り、それが晴れると
見慣れた姿が現れた。リサリサが叫びヨッスィー先生が
指を鳴らし私と言えばうっすら浮かんだ涙をぬぐう。
「ほぇ?リサリサにマルシェ?ってことは魔法界?」
呆然と辺りを見渡すラブリーの、視線がぴたりと止まる。
「お帰りラブリー。長い間ご苦労様」
「マリーせんせぇ!」
勢い良くラブリーに抱き着かれたマリー先生は
しりもちをついてました。

56 :SN:04/01/29 12:07
「あの子の心を癒したから戻の姿に戻ったのさ」
「心の奥底に眠ってた願いを、ね」
簡単な説明にぼんやりと頷くラブリー。口唇が半開きで
せっかくの美人が台無し。
「でもあっし、猫になってたやよ」
「それでもあの子はラブリーに感謝してたんだから」
「せやからなっちの言葉も解らんかったがし」
なっち?
「あっしのソロ研は失敗やよ」

57 :SN:04/01/29 12:08
魔法界に戻って来たラブリーは何だか嬉しくなさそうに
見えた。見えただけじゃなかった。決定的な一言。
「マリー先生。あっしもう一度人間界に生きたい」
「なんでぇ―――!?」
聞いたのは私とリサリサ。それに対しラブリーは俯いて。
「だってなっちの夢、ちゃんと叶えてないもん」
失敗したままなんは嫌やよ、と低く呟く声が耳に届いた。
両手をぎゅっと握ってて、こんなラブリー、初めて見る。
「ラブリー、あの子にはもう魔法使いの記憶はないよ」
そっと諭すように、ヨッスィー先生。上げたラブリーの
顔は泣きそうになっていた。
「魔法使いの帰還と共に消す。そういうしきたりなんだ」

58 :SN:04/01/29 12:08
「ただぁし!」
マリー先生がぴっと指を立てた。ヨッスィー先生、私、
リサリサ、そしてラブリーの視線がその指先に集まる。
「お前は最初の試験に受かってない落第生だから」
ヨッスィー先生がにやにやし始めた。
「試験に合格したら正式なソロ研に行かなきゃならない」
リサリサはしょうがないと言いた気にため息。
「魔法使いの記憶はないけど、猫の記憶はあるかもな」
ラブリーはと言えば大きな瞳がいつもの倍くらいに
見開かれていた。
「オイラの帽子!ちゃんと持って帰って来るんだぞ」
さっきよりも勢い良くラブリーに抱き着かれたマリー
先生は倒れて腰を打ちつけてました。

59 :SN:04/01/29 12:09
「噂なんてさ、あてにならないね」
そうリサリサが私に笑いかけてくる。私が「ねっ」と頷く
横でヨッスィー先生も頷いていた。
「マリー先生がラブリーを嫌ってるなんて思えない」
「え?そんな噂あったの?」とマリー先生が目を丸くする。
「はい。試験に落ちたのにソロ研に行かせた―――」
「―――のはホントだったみたいね」とリサリサ。
「ソロ研の際に哀しいって意味の名前をつけたとか」
「それもホント」とヨッスィー先生。
「ラブリーの誕生日をすっかり忘れてたとか」
「あはは!ゴメン!それもホントだから!」
部屋に響くマリー先生のかん高い笑い声。私もリサリサも
可哀相過ぎてラブリーの顔を見れませんでした。

60 :SN:04/02/03 12:05
【カゴとエリナチ】

一言で言えば抜け殻。二言で言えば魂の抜け殻。
控え室のちゃぶ台に突っ伏して動かないなつみさんに
うちと絵里りんはため息つきっぱなしなんですけど。
「遊びに行けばいいじゃないですか」
「どこへさ?」
地の底から響くような重低音ボイスでなつみさん。
「哀ちゃんの飼い主のとこ」
「一ヶ月も一緒だったんだから歓迎されますよ」
これから生放送の収録だと言うのに、余計な気苦労を
背負わされるうちら。リーダー、しっかりしてください。

61 :SN:04/02/03 12:06
「わかんないの」
ぴくりとも動かずになつみさん。
「わかんないって?」
「哀ちゃんがどこに行ったか」
マスカラを塗る手を止めて絵里りんを見る。絵里りんも
ビューラーを動かすのを止めてこっちを見ていた。
「逃げちゃったんですか!?」
「飼い主に返したんじゃなかったの!?」
返事なし。仕方ないからメイクの続きを始めた途端。
「返したよ。でも誰に返したかわかんない」
いやいや、そんなかすれて消えそうな声で言われても
こっちも言ってる意味がわかんないですって。

62 :SN:04/02/03 12:06
「ダメだよね、こんなじゃ。仕事頑張らないと」
むくっと起きた―――と思ったら、ぱんぱん!と派手な
音でなつみさんが自分のほっぺを叩いてます。
すべてがさっぱり解らんけど、その結論は正しいと
思います。うちと絵里りん顔を向かい合わせ頷く。
励ますには乗っかるっきゃない!
「そうです!毎日おんなじような仕事ばっかですけど」
「子供達や大きいお友達に夢を与える大事な任務やで」
ぽかん、となつみさん。そっと近寄って来たかと思えば
うちらふたりまとめてぎゅっと抱きしめた。

63 :SN:04/02/03 12:07
かすれそうな声の「ありがと」が聞こえて、なつみさんの
背中をぽんぽん叩く。ふふん、かなり嬉しいぞ。
哀ちゃんのこと結局よう解らんしうちらまだ子供ですけど、
遠慮なく頼ってください話してください。
三人きりのモーニング娘。ですもん。
だっこされたまま絵里りんと目が合う。左手で小さな
ピースを送ると、一番歳下は笑顔でちろりと口唇を舐めた。

64 :SN:04/02/04 12:17
【リサとラブマル】

一言で言えば鬼。二言で言えば勉強の鬼。
人間界から戻って以来、ラブリーはずっと勉強してます。
ミルク瓶の底みたいな眼鏡をかけて、違った組み合せの
靴をはいてるのもお構いなしで、その格好たるやまるで
出来の悪いコントみたい。
「次の試験で絶対受からんと」
燃えてるラブリーがちょっとうらやましくて、あたしも
マルシェも空いた時間に勉強なんかし始めたりしてる。
目指せソロ研。いざ、人間界へ!なんてね。

65 :SN:04/02/04 12:17
ふと思い出した。マリー先生の言葉。
「ねぇラブリー、あたし達の前で魔法使ってみてよ」
「ほぇ?」
そう言えば先生の違うあたし達はラブリーが魔法を
使うのをじっくりと見た記憶がない。知ってるのは
チェリー全体での期末試験や体育祭で優秀な成績を
残してるって結果だけ。
「あ、見たい!美味しいもの期待」
どうやらマルシェには私の想いが通じたようだった。
頭をかきながら立ち上がったラブリーは深呼吸の後で
呪文を詠唱した。
「ほんじゃあ―――コタ・レバ・ヨ・トトイ!」

66 :SN:04/02/04 12:18
見た目完璧。なのに味だめ。出てきた紅茶には塩が
溶けててあたし達は三人そろって吐き出した。
「いっつも失敗しないんやけどなぁ」
口唇を尖らせてラブリー。あたしは疑問を口にする。
「そのいっつもって、独りのとき?」
ラブリー、指をくわえてこくり。心が燃え上がる。
マリー先生のやり方、効果はあったみたいだけど私は
嫌い。だって絶対もっと良い方法あるもん!
「ラブリー。マルシェ。これから放課後は特訓しよう」
「魔法の見せ合うってこと?」
眉間に皺のマルシェにあたしはイェイ!とピースサイン。
だってチェリーブラッサムに三人きりの同級生だもん!

67 :SN:04/02/04 12:28
矛盾が多くて泣きそう

68 :SN:04/02/06 20:36
【ナチラブリーフタタビ】

哀ちゃんが消えてからの日々は、あっという間に過ぎてく
感じがした。帰って来ても誰も居ない部屋。キャットフード
の箱は隅で埃をかぶってる。哀ちゃんがくるまっていた
誰かの服と帽子はひっそりと壁の花。なっちと同じでいつか
来る出会いをじっと期待してるんだ。
ふと空を見れば―――哀ちゃんが居なくなった日と同じの
きれいな満月が浮かんでいた。

69 :SN:04/02/06 20:36
「もう一ヶ月も経ったんだ」
部屋の明かりを消してみると、充分な月の光に照らされて
世界は銀と黒に染まった。なんだか荘厳で、今なら魔法の
ひとつでも使えそうな気がする。そんな気がした。
「あっ」
私は壁を振り返り駆け寄る。埃をさっさっと払い黒い三角
帽子をかぶった。ちょっと小さい。
誰も居ないのを解ってながら再確認した後に、えへん、と
咳をひとつ。満月を見つめて。
「ちちんぷいぷい。哀ちゃんよ現れろ!」

70 :SN:04/02/06 20:37
すっ、と影が射した。顔を上げると窓の向こう、誰かが
居て月明かりを遮っている。
「ウソ」
だって窓閉まってるしここ十階建ての十階だしって言うか
黒い服だし黒い三角帽子だしほうきに乗ってるし空中に
浮いてるし!
「ホンマ」
かちりと鍵が外れからからと窓が開きふわふわと入って
くる侵入者。もしかして夢?じゃなきゃこの格好は。
「まほうつ―――」
かい、と言い切る前に口唇をふさがれた。そのふっくらと
した指先の感触はまぎれもなく現実。

71 :SN:04/02/06 20:38
よく見れば割と可愛い女の子。大きな瞳とはちきれん
ばかりの笑顔の―――。
「あなた誰?」
「えっと」
その子はポケットからメモ用紙を取り出すとおもむろに
棒読みし始めた。
「たかはしあいと申します」
「わかりやすくうそつかないでよ」
「あいは哀って書くんやよ」
「愛じゃないんだ!でもそっちのが素敵な名前だよ」

72 :SN:04/02/06 20:38
その子―――哀ちゃんってばこれぞ満面の笑みって感じ
なんだけど何だろ?どこかで見たような気がずっとしてる。
「悔いの残らないよに、今度こそなっちを幸せにするよ」
しまった!
私はすぐさま完璧な笑顔を作る。国民的アイドルグループ
一員のなっちらしからぬミスをしてしまったよ。
「応援ありがと。なっちのサインが欲しいのかなー?」
「シタワ・ノイサ・ニウ・ユジニ!」
「へっ?」
哀ちゃんが消えた。というか哀ちゃんだけが消えた。

73 :SN:04/02/06 20:38
服とほうきがばさっと落ちて、その中で何かがもぞもぞ
動いている。顔を出したのは小さな猫。猫?ネコ?
「にゃぁ」
「あっ」
頭がぎゅんと回る。なっちの家なのにベンチが見える。
ふとんが見える。満月が浮かぶ。―――繋がった!
「おかえり!」
「にゃん」
広げた手の中に飛び込んでくる温かさ。ぎゅっと抱き
しめる私の頬をぺろりと小さな舌が舐めた。

74 :SN:04/02/06 20:39
【マリーの独り言】

猫になるだろうとは思ってたけど、まさか行ってすぐ
なるとは思わなかった。まぁ良いけどね。
今度は完璧な成績で合格出来たあの子だから、きっと
課題も完璧にクリアして帰って来るさ。
―――気付いただろ?
独りで本を読むより誰かと一緒がずっと学べること、
失敗は怖れるものじゃないってこと、そしてお前の
ことをみんなが愛してるってこと。
あ、おいらのお気にの帽子、忘れずに持って来いよ!

75 :SN:04/02/06 20:39
主演:
ラブリー  高橋愛
なっち   安倍なつみ

出演:
マリー   矢口真里
ヨッスィー 吉澤ひとみ
あいぼん  加護亜依
絵里りん  亀井絵里
リサリサ  新垣里沙
マルシェ  紺野あさ美

76 :SN:04/02/06 20:39
『魔法使いの妹子(でし)』

        おわり

77 :名無し娘。:04/02/08 23:15

完結ありがとう(●´ー`●)
こんなに人のいない板で作品を書いていただけて本当に感謝しております

猫になった哀ちゃんテイスト全開の場面が好きでしたよ
あれに触発されて少しネタ書いてたしね

> 三人きりのモーニング娘。ですもん。

今よりだいぶ甘そうな娘。ですね ちょっと見てみたいかも
ただ、安倍さんの年齢がちょっとネックですね (・∀・)


SNさんは今どこかで書かれてるんですか?

78 :sn:05/07/18 18:13
>>78
最近は長いの書いてないです〜BLOGで精一杯

コソーリオイテキマス

モー娘。オナニー好きな順予想
http://teri.2ch.net/mor2/kako/990/990085841.html
最近思うこと
http://choco.2ch.net/ainotane/kako/1001/10012/1001243896.html
鈴木あみの豪邸どうなったん?
http://choco.2ch.net/zurui/kako/1002/10021/1002180193.html
http://tv.2ch.net/zurui/kako/1002/10021/1002180193.html
http://ex2.2ch.net/test/read.cgi/zurui/1002180193/

79 :名無し娘。:05/07/19 01:18
>>78
そっかー残念
でも俺も人のこと言えないしな
面白そうな設定思いついても、1年がかりになりそうだとか思い始めると
もうその時点で萎えちゃうんだよね…


しかしこうやって昔のヲタ日記見せつけられると
俺のバカ俺のバカって頭ポカポカしちゃいますよ
鳩のスレは3つの鯖にまたがって書き続けてたんだなと
なんだか懐かしくなりました

80 :新宿:05/08/01 12:54
>また「どこか」で始めて欲しいよー

そんなに言われたら・・・(^-^;)
じゃあとりあえずどこか板で

81 :新宿:05/08/01 13:00
最近ジム通いをしてる私ですが、昨日初めてプログラム(って言う?)に
参加してみました。はじめてのエアロビみたいのに(^-^;)
単純なステップに手の動きを合わせるだけで見てると結構簡単そうなんだけど
見るとやるとじゃ大違い!でした

もうとにかくステップが覚えられない
何度やっても順番を間違えてしまいます
そしてたった45分なのに最後の方では足があがりません・・・
さゆも久住も偉いなと思いました(>_<;)高橋は特に偉い

そしてこっちが本題!やったよ!
なっちとエッチ(韻を踏む)しちゃう夢見ちゃった!(^-^*)
前に夢で矢口の上半身裸を見たときには胸ぺったんこっていうか
えぐれてる?くらいだったのですが、さすがはなっち!
ほんのちょっとだけ、微妙な盛り上がりがある程度でした・・・?

そしてなっちはエッチの途中で居眠りしちゃうんですけど、
この機会を逃したらもうなっちとできない!と思った私は
一生懸命なっちを起そうとするのでした。夢の中なのに(^-^;)

82 :新宿:05/08/01 13:00
ふぅ……sage忘れそうで怖い(^-^;)

83 :名無し娘。:05/08/04 01:10
いやぁーっ
俺の唯一の相互リンクサイト様だったのに
ここで書かれたらまた独りぼっちになっちゃうじゃん!

書いていただけるのは嬉しいんですけどね


>>81
娘。の夢かあ
最近見たのは何故かまた高橋でしたよ
どっかのクイズ番組で一緒に解答席に座ってるんだけど
イントロクイズで高橋が答えてね、その曲を延々と歌い続けてるの
他の共演者、藤岡拓也とか朝岡雪路が嫌な顔してこっち睨んでるし
俺はもう止めろバカと小声で言い続けてるんだけど
なんか高橋は全然止めなくて、俺が周りの人にすいませんすいませんと
謝りまくってるところで目が覚めましたよ

いや高橋は嫌いなんですけどね

84 :新宿:05/08/05 18:27
>>84
実は元々エコBLOG始めるときもここにスレ立てるか
BLOGにするか迷ったんです
結局書いた文章が後からでも直せるこでBLOGにしたんですけどね(^-^;)

いいなーいいなー高橋の夢私も見たいなーみたいな!

>いや高橋は嫌いなんですけどね

こんなスレ誰も覗いてないんだからさ、もっと素直になって良いよ(^-^ )

85 :名無し娘。:05/08/05 22:33
> ここにスレ立てるかBLOGにするか迷ったんです
> 書いた文章が後からでも直せるこで

これSNさんさえ良ければ★使います?
書き込み編集とかレス削除なんかが使える権限
いわゆる2chでいうところのキャップ持ちも個別に設定できるんですが
さすがにIP見てニヤニヤするのは管理人の特権ですので
そちらまではさせられませんけどね ニャハハ
もし使われるんでしたらメアドまで連絡ください


> もっと素直になって良いよ(^-^ )

いや俺はいつもめっちゃ素直だし
つーか写真集枕元に敷いてるのに
れいにゃが出る夢は一度も見てないし

86 :SN:05/08/06 08:30
ありがとう(●´ー`●)
実際★をいただいて、修正するか解んないけど
小説書く用にももらいたいですテヘテヘ

>れいにゃが出る夢は一度も見てないし

心の奥が高橋を求めてる証拠です
というわけでその内このスレに小説を載せようと思います
どさんが我が闘争に着手してから書こうかなと思ったけど
(なぜならばパクリアイデアだから(^-^;))

87 :名無し娘。:05/08/06 22:40
>>86
メール送ったよー

最近自スレのネタも書いてないし
我が闘争(パクリ)はお盆明けになんとか
そういや、今日のヤンタンでれいにゃと高橋と藤本が出てるらしいです
聞きたいような聞きたくないような…

88 :新宿:05/08/07 22:53
>>87
ありがとう(●´ー`●)

権限がもらえたらさっそくさっきのメールアドレスでも
削除しようかと思います……

>そういや、今日のヤンタンでれいにゃと高橋と藤本が出てるらしいです

おっと!さゆが出たときのは誰かがテキストにしてくれたのを
読んだのに亀井のは読んでないです
探してこなくっちゃー 三( ^-^)

89 :新宿@shinjuku ★:05/08/08 18:33


90 :新宿:05/08/08 18:34



これからお話するのはすっごく前の話。
まだうちとののがモーニング娘。に居た頃の、
夢みたいな、ほんとのお話。



91 :新宿:05/08/08 18:35

もう大人だから、と覗いたインターネットの世界で見つけた言葉。
「加護ってモーニング娘。脱退って本当?」
「おせーよ>>1
「加護しくガイシュツ」
当の本人のうちが初めて知ったって言うのに、そこではそれが
当たり前のように語られていた。いくつも、いくつも。
パソコンからそっと手を離す。
自分を騙して励ましてやっとのことで立ち続けてたうちの足場が
音を立てて崩れていく、そんな気がした。
きゅっと口唇を噛みしめ、思う。
ねぇ師匠。ひょっとして、うちは必要とされてない子なんやろか?

92 :新宿:05/08/08 18:38

┃  ━┳━ ┏━┓┃┃━┳━
┣━ ━╋━ ┣━┫  ━╋━
┃   ┗━   ┃   ┃


93 :新宿:05/08/08 18:39
……ずれまくってる orz

94 :新宿:05/08/08 18:39

「トモダチ」


95 :新宿:05/08/08 18:40

奇跡のように訪れた、モーニング娘。だけで迎えるクリスマス。
色々な番組や撮影の合間にぽっかりと出来た時間を使って
うちらはパーティをすることになった。

安倍さんやカオリが料理を作ってる。おばちゃんと矢口さんは
テーブルのセッティング。梨華ちゃんとよっすぃーはお部屋に
飾りつけをしている。後藤さんはソファでうとうとしている。
そしてうちとののは、外に居た。夜空を見上げていた。

「きれいだね」
ののが八重歯を覗かせて微笑む。うちも「うん」と頷き返した。
真っ暗な空から突然に、数え切れないほど降ってくる雪。
都会じゃめったに見れないのに、今日に限ってこんな降るなんて
神様も粋なことするんや、なんて思ったりした。
「ねぇ、のの」
鼻の奥がつん、とする。すごく、きれいで、不思議。
「なぁに、あいぼん?」
「来年もこうやってふたりで雪、見たいなぁ」
「なにいってるんれすか?ふたりはずっといっしょれすよ」

96 :新宿:05/08/08 18:40

深い意味はなかったのかも知れへん。ののがそんなに鋭い
わけない。でもうちの胸に、確かに何か、ちくりとささった。
「せやな。うちらはずっと」
簡単の言葉をどうして口に出せないんだろう。
目的は果たされた今、自分はなぜここにいるんだろう。
この中にうちは必要とされているんだろうか。
「友達なんやなぁ」

うちは視線をそらしてしまう。ののの笑顔、眩しすぎて
受け止められないんや。
「へんなあいぼんれすね。
 ののとあいぼんはずーっとむすめをやるんれすよ」
何の根拠もない未来を、理屈抜きで信じていられるののは、
うちには本当に、眩し過ぎるんや。

「のの、ありがと。
 ののと一緒におれたこと、うち忘れへん」
「きょうのあいぼん、なんかへんれすよ?」

97 :新宿:05/08/08 18:42
ごめんね(^-^;)

98 :名無し娘。:05/08/08 21:31
2行目ですでに号泣

つうかこれはメディアミックス展開っすか電車男ですか
AA→Flash→小説ときて
残るは本人たちによる実写版ドラマってことですか
俺は原作者としてののさんと一緒に
ウサちゃんピースしなければならないってことですか

よーし、今夜からウサちゃんピースの特訓だあ!

99 :新宿:05/08/09 12:48
>>98
ドラマの前に映画、映画の前にマンガ、マンガの前にまとめサイトが
できてくる予定です(^-^ )
そしてウサちゃんピースは主人公の加護としてくださいね

100 :新宿:05/08/09 12:49
get100

101 :新宿:05/08/09 12:49

帰ったお家はさっきまでとまるで違っていた。‥まるで、お城。
飾り付けをしたよっすぃーと梨華ちゃんも満足そうに笑ってる。
すごいすごーいと矢口さんのように連発しながらよっすぃーと
取っ組み合うののを横目に、うちは窓際に寄りまた外を眺めた。

真っ暗な中を落ち続ける真っ白な雪は、とてもきれい。
だけど、なんか切ない。

「あいぼん」梨華ちゃんがうちの横に立つ。そのまま
うちと同じように外を眺めた。
「雪、きれいだよね」
「うん。さっきののとも言っとった」
「なんかさ、きれい過ぎて食べられそうじゃない?」
「えーっ?梨華ちゃんってば、なんかののみたい」
梨華ちゃんは「えへへ。そうかな」と照れたように微笑んだ。

102 :新宿:05/08/09 12:50
「ねぇあいぼん。私達に何か隠してることない?」
梨華ちゃんはそのままの声のトーンで言った。微笑みも
同じように浮かべてる。
ちくっ、とまた胸が痛む。
「最近のあいぼん、なんか変だもん」
「失礼やな。なんもあらへんよ」
うちはまた視線を梨華ちゃんから窓へと移す。

「どっか行ったりしちゃ嫌だよ?」
ガラスに映る梨華ちゃんは微笑みのままなのに、瞳だけうるうると
していた。なんで泣くねん。今日はクリスマスやろ?
ケーキとかご馳走とかあって楽しくてしかたない日やろ?

「あいぼん、よっすぃー、のの。
 みんな居たから私も頑張って来れたんだよ?」
ちくっ。
もう、やめて。4期で一番のお姉さんが、簡単に泣かんでや。
ほんま頼りないんやからなぁ。
「どこも行かん。安心しぃ」
「ごめんね急に泣いて。でも、信じて良いんだよね?」
ちくちくっ。
鼻をすする音を立てながら梨華ちゃんが訊く。
うちは窓の外を見たまま、こくんと頷いた。

103 :新宿:05/08/12 12:16
「ケーキが出来たよぉ!」と安倍さんの声が響く。
みんな駆け寄ってすごいじゃんとか美味しそうとか言ってるのを
うちは遠くから見ていた。あの輪に、なぜか入ってけない。
「加護」
横を見るといつ起きたのかうちの師匠の、後藤さんが居た。
後藤さんはぽん、とうちの頭に手を置くと囁くように小さな声で
「今の加護、市井ちゃんと同じにおいがする」と言った。
ちくっ。

「なんやねんな。みんな急にぃー」
離れようとするうちの頭を抱いて後藤さんはそのおっきな
おっぱいにぎゅっと寄せた。
「言いたいことあったら、いつでも何でもごとーに言うんだよ」
耳をすませばとくとくって小さな鼓動と、ずっとうちを支えて
くれていた声。

ぱん、と割れた。
「なんも」
あらへん、って言葉の代わりにうちの目からは水がぼろぼろと
こぼれだす。周りがぐにゃぐにゃして見える。止まらへん。
「ふぇっ、ふぇぇぇん」
後藤さんはうちの頭をもう一度、よしよしと撫でてくれた。

104 :新宿:05/08/12 12:17
「……そっか。加護、辛かったんだね」
「モー娘。辞めたくないねん。
 でも続けられへん。
 うちは必要なん?なんで毎日こんな辛いん?」
後藤さんに伝えることで想いはもっとぐじゃぐじゃする。
どうしてうちは。

「つーじー?」
びくっとする。今の言葉は絶対ののに聞かせちゃいけない言葉。
うちより年上のくせにうちより頼りないののに、絶対言っちゃ
いけない弱音。目をこすって振り返ると視界の隅に一瞬、ツイン
テールのはしっこが見えた。

「加護ぉ、どうしたの?」
安倍さんの声を背に駆け足の音を追っていくけど、ののの姿は
見えない。
追いかけた先には、夜の外へと続く開きっ放しのドア。
のの独りで出てったんや。焦った。コートもマフラーも手袋も
ないままに、ののを追ってうちも飛び出していった。

105 :新宿:05/08/12 12:17
ぎゅっぎゅっと雪を踏みながら見渡すけれどののは居なかった。
降る雪は量を増してて、ののの足跡はおろか、振り返るともう
うちの足跡も見えなくなってた。
「ののぉ――!」
返事もない。合わせた手にハァと息をかけ温める。

その辺をぐるっとひと回りしようとしたんやけど、
どうしたんやろ?
さっきみんなが居たお家から全然離れてへんはずなのに、
どこにも明りが見えない。降る雪しか見えない。

こんな近くで迷子とかありえへん。でも。
息は上がるし、汗までかいてるし、なんか、すごく疲れとる。
なんでやろ?
「ののごめん。うち。ちょっと、ひとやすみ」
雪の中にべたっとおしりをつけてしゃがみ、やばいかなと
ちょっと思ったけど。苦しくって。
うちは、瞳を。

閉じた。

106 :名無し娘。:05/08/13 02:45
ここで感想レス書いてもいいのかなと不安になってきた

なんかね、小説書きさんてすごいなあと改めて思いました
当時は結構矛盾点ありありで書いてたのに
なんでここまで洗練されたお話になってるんだろうって

なんかもう完敗っすよ

107 :新宿:05/08/13 09:40
まぁ後出しで書いてる分、いくらでも修正可能なところがあるから
そんな大した事ではないんですけどね>矛盾点の解消

でもこのあとの加護が歩くシーン
http://ikam015.s22.xrea.com/test/read.cgi/dokoka/1043574822/27
この2頭身の加護がどうにも可愛らしくて好き(^-^*)なんですけど、
この可愛さはもう見るしか伝えられない!って思います
想像力に訴えられるのが文章の強みだけど、
自分の思った通りには伝えられないからね……こんな可愛いのに!

108 :新宿:05/10/22 10:16
忘れた頃に続きを

109 :新宿:05/10/22 10:16
気がつくと、雪はやんでいた。
きょろきょろと辺りを見回した後、身体に積もった
雪をはらった。なんか頭がぼーっとする……。

うちは立ち上がり歩き出した。
真っ暗だけど明るい。
星が降りそうな空に、雪を踏む音だけが響いてる。

「あれ?」と声に出した。
記憶がつながんない。
メンバーのみんなも一緒に居た気がするのに、なんで
うちだけ独りなんやろ?
「みんな?」
また声に出した。もうあんまり、寒くなかった。

110 :新宿:05/10/22 10:16
ぎゅっ、ぎゅっ、と歩き続けると、やがて景色が
変わった。
ふたつの光が見えた。
近づくとそれは丸太でできたロッジの窓から漏れる
明かりと、飾りつけをされて輝くもみの木だった。

そう言えば、クリスマスやったっけ。
楽しそうな声がうっすらと外に響いて、うちは
こっそり窓に寄った。
行儀がどうとか、怒られるとか、そんなことよりも
ただその温かそうな感じに惹かれて。
うちは右手の袖で窓ガラスを拭き、覗いた。

みんなが居た。

111 :新宿:05/10/22 10:17
エプロン姿の安倍さんがお盆でグラスを運んで来た。
おばちゃんがオレンジジュースをそれに注いだ。
きれいに並んでるグラス。
うちも行こう、と思ったのとほとんど同時に気づいた。
……あれ?

梨華ちゃんがふたつ手に取って、ひとつをよっすぃーに
渡した。後藤さんがひとつ手に取ってさっそく一口
飲んだ。乾杯してからだろーと笑う矢口さんは手際良く
自分と安倍さんとおばちゃんの前にグラスを並べた。
胸がちくりと痛んで、なんか、目の奥が熱い。

カオリがふたつ、グラスを手にしてひとつをののに
渡すと、テーブルの上のグラスは全部なくなった。
「みんなグラス持ったねー?」
おばちゃんの呼びかけにはぁーいの声が重なる。
そしてうちはそっと、窓から一歩、離れた。

112 :SN:2008/10/30(木) 06:57:12
空を飛ぶ、3つの方法。

久々にタイトルだけで体に電撃が走るようなゲーム(エロゲ)で
わくわくして体験版ダウンロードしてみたらまーこれがひどい
絵は好みが分かれるからそれはいいとしてストーリーがひどい
両親がいきなり海外に行って一軒家に一人暮らしの主人公
(しかも親の仕事を知らない!)料理なんかできなくて
お隣の好意を持ってくれている幼なじみが料理を作りに……って
学園物ってこの設定おおすぎ!ありすぎ!げんなりですよ

こういうことを書くスレがどこかにあった気がしますが
まったく見つけられないのでここに書いておきます

113 :SN:2008/10/30(木) 06:57:34
あげてしまった

114 :SN:2008/10/30(木) 06:58:00
これでさがるかな?

115 :教えて下されww :2008/11/07(金) 00:21:55
3年ぶりに書き込まれてびっくり

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0ch BBS 2006-02-27